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4日目 [取材秘話]

結果はご存じの通りで。谷亮子に関して、これまで僕はいろいろな雑誌で書いてきた。イメージと異なるダーティな柔道をすることともに、全盛期の柔道とはスタイルが大きく変わっていることを指摘したつもりだ。今の谷は、いっさいのリスクを背負わずに戦っている。返されるおそれのある技はかけずに、攻勢を保つことに重きを置いている。ポイントをリードすれば、時間を使って逃げ切る。彼女の中に「一本」を狙う気持ちは、「取れるにこしたことはない」ぐらいだろうし、端から考えていないかも知れない。それは産休後、一本勝ちが確か3試合だという数字でも見ることができる。その柔道でも昨年のリオ世界選手権は危なげなく、勝つには勝った。だけれども、谷が復帰して以降、谷を恐れるに足らずとばかりに組み合ってくる相手——日本選手は今では谷を怖がっていない——では決まり手がなくゴールデンスコアに流れ込むケースが多いことも見て取れる。谷の真骨頂であるスタミナが功を奏して、最終的には谷が勝つ(今回の2回戦がそのケース)ものの、もし体力があって、谷の投げるつもりはなくとも動き回って相手を翻弄する柔道を止めることのできる選手は十分に好機があると言えた。
それが準決勝だったわけだ。ドゥミトルはパワーがあって、谷のスピードを封じた。確かに、勝負を分けた指導は微妙な判定だけれど、どちらが主導権を握っていたかで言えば、間違いなくドゥミトルだった。
少なくとも、谷だけに指導が渡ったとき、谷は「エッ」という表情と仕草を見せた。彼女自身の戦いのイメージが狂っている証拠だ。記憶する限り、そんな谷は見たことがない。
「あの選手を出しておくべきだった」とは思わないけれど、それだけ谷は瀬戸際に立っていたのが現実だった。

しかしまあ、僕はチケット取材組なのだけど、チケットはそうそう簡単には取得できない。今後、北京に来る方、チケットは国内で取得することをおすすめします。
8時から歩き回り、予選も決勝もなんとか手に入れたけど、これを続けるのは相当の体力と忍耐力が必要だ。

今回の大きな仕事の一つである平岡のノンフィクションは……どうしよう。


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